専用機器が発展
サツマイモ収穫量が全国2位の茨城県。JAなめがたしおさいは2003年から、生産者らと連携し、全国のスーパーに焼き芋機の設置を働きかけ、売り場を創出。独自の「焼き芋マニュアル」も公開し、おいしい焼き芋を広めてきた。
自宅で焼き芋に挑戦する消費者に向け、焼き方を出荷箱に表記し、チラシも作成。①鍋に石を並べて加熱する本格的な石焼き芋②オーブンレンジで作る簡単な焼き芋――を紹介する。
同JAなめがた地域センター園芸課の河野健太郎甘藷(かんしょ)担当は「JAでは冷凍焼き芋も販売しており、いつでもおいしい焼き芋が味わえる」と自信を見せる。

焼き芋専用機器の発展も目覚ましい。大阪府東大阪市の総合雑貨メーカー、ピーナッツ・クラブが21年に発売した「焼き芋メーカー」は、販売台数が8万台を突破した。
使い方は、洗った芋をラップで巻き電子レンジで1分加熱し、メーカーに入れて30分を目安に加熱する。
同社は「サツマイモの品種や出回る時期で、味の違いを楽しめるので、焼き比べてほしい」(広報)と話す。
飲み物、主菜にも
サツマイモの生産から販売までを一貫して手がけ、3月に千葉県香取市に芋パフェ専門店もオープンした石田農園。石田湧大副社長に手軽な焼き芋のアレンジレシピを聞いた。

一つ目は「芋ラテ」。材料は牛乳150ミリリットル、焼き芋60グラム、砂糖5グラム。これらをミキサーで混ぜる。二つ目は「焼き芋グラタン」。皿に焼き芋をのせ、その上にグラタンソース、好きな具材(タマネギやベーコンなど)、チーズをのせて、オーブンで10分焼く。

石田副社長は「サツマイモの調理は難しくない。食物繊維が豊富で栄養価も高いので、もっと食卓で消費してほしい」と新たな食べ方を提案する。
(志水隆治)
